山車図鑑

上之町車

山 車
上町山車は文化七年(1810)におおよそ現在の山車構造になりました。
からくり
「綾渡りからくり」は、四本柱内で行われるという独特なものです。四本柱内には唐子三体が置かれており、四本柱の格天井に吊り下げられた綾棒が三本あります。脇の唐子二体が中央にある滑車を廻すと蓮台が上ります。蓮台の上の綾渡り唐子が、天井に吊り下がった一本目の綾棒に両手でつかまります。二本目の綾棒との間隔が広いため、勢いよく飛びだし二本目の棒に両足を掛けるという難しい技です。二本目の棒で人形はそり身になって両手を水平にさし出し、三本目の綾棒にぶら下がります。そして、蓮台に降ります。高度な技術が必要な綾渡りのからくりです。せり出した出棚には両手に采を持った唐子が置かれています。綾棒の支えが天井に付けられているので、天井裏に引き綱の綱道があります。

中之町車

山 車
文政年間(1818~1830)に勾欄、屋台枠が造られ、おおよそ現在の山車構造になりました。
からくり
からくりは「唐子の文字書き」です。四本柱内には文字書き唐子一体、羽付きの蓮台を押し廻す唐子二体が置かれています。押し唐子が蓮台を一回転させ、押し棒を回すと唐子の乗った蓮台(壇箱)がせり上がります。ひときわ大きい文字書き唐子は立ち上がり、右手に持った筆で文字板に挟んである紙(「文字車」「神領」の押印あり)に字を書くというからくりです。寿・鶴・亀・宝・福・神・中・秋・祭・祝・龍の十一文字を書くことができます。書き終わって文字を披露した後、紙は舞い落ちます。出棚には両手に采を持った唐子が置かれています。

馬場町車

山 車
唐破風屋根で、懸魚は鳳凰の形状です。四本柱の上部の平桁には牡丹唐草、波頭には兎の彫刻や獅子の木鼻があります。
からくり
からくりは「大黒」です。四本柱内の大黒天は左手に金色の打出の小槌、右手に扇を持っています。打出の小槌が中央から縦に割れて、中から両手にチャッパを持った小唐子が飛び出します。この小唐子はチャッパを打ち鳴らした後、再び小槌の中に入り込みます。すると、大黒は扇で自分を扇ぎ、笑顔をふりまきます。上段から前方にせり出した松の枝には、宝袋が吊り下げられており、宝袋からは五色の紙ふぶきが舞い上がります。基壇前には唐子が立ち、左手に持った鉦を右手に持った撥で囃子に合わせて打ち鳴らします。出棚では右手に御幣を持った神官がお祓いをします。